少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。

■読書
読書の秋ということで、活字欲がかなーり上昇中。

東野圭吾先生の『赤い指』は、今問題になっている少年犯罪や老人介護をテーマにしたミステリー小説。この作品で一番印象に残ったのは、罪を犯した息子に自首をさせようとする父親に対しての母親の言葉。独りよがりで絶対に許されないことにもかかわらず、ただ息子を守るためなりふり構わずわがままを押し通す鬼気せまる迫力は、実話を基にしたドキュメンタリーと思うほどにリアリティに溢れ、ゆがんだ愛情の恐ろしさを痛感しました。

事実を隠す側と暴く側の息を飲む高度な駆け引きに加えて、東野ミステリーの特徴である、事実のその先にある真実に心を打たれました。

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