『ブラインドネス』＆『闇の子供たち』

2008年12月7日映画

■映画
上映されたら即見ると決めていた『闇の子供たち』がTOHO宇都宮で昨日から公開されたので、今週で最後の『ブラインドネス』と併せて鑑賞。

『ブラインドネス』
とある都会の街角。日本人の男が運転する車が交差点で立ち往生していた。突然目の前が真っ白になり、完全に視力を失っていたのだ。親切な男に助けられ家まで送り届けられるが、そのまま車を持ち去られてしまう。男は妻に付き添われ病院に。医者は、眼球に異常はなく原因はわからないと告げるが、各地では失明者が続出していた。車泥棒も、そして、診察した医者までも。驚異的なスピードで“ブラインドネス”は感染していった…。(goo映画より)

鑑賞前は、CM等の予備知識から病気の原因究明の過程を描写した作品だと思っていたのですが、実際は盲目になった人々の心理描写に焦点を当てた作品でした。原因不明の病で盲目になった多数の患者が送り込まれた隔離施設を舞台に、視力を奪われた人々は不自由な生活環境下で次第に倫理観を失い、持つ者と持たざる者という先時代的な社会を構成していく。その描写は人間あるいは現代社会の脆さを観客に鋭く伝えています。同じ環境に置かれた者同士は助け合うべきという考え方は人間の本質なのか、それとも社会が後天的に与えたものなのか。反対に強者が弱者から奪うという行為が人間の本質で、社会がそれを抑制しているのか。現代社会の中で生きる私には明確な答えが出せないけれど、それが人間の本質であれ社会から与えられた考え方であれ、自分は前者の考え方を持ち続けたいと思いました。

目：4点
頭：4点
心：5点
魂：4点

『闇の子供たち』
日本新聞社バンコク支局で、幼児人身売買を取材する記者、南部は、日本人の子供がタイで心臓の移植手術を受けるという情報を得る。知人に金を握らせ、臓器密売の元仲介者に接触した南部は、提供者の幼児は、生きたまま臓器をえぐり取られるという衝撃の事実を知る。取材を続ける南部は、ボランティアの少女、恵子と知り合う。純粋すぎてすぐ感情的になる恵子に苛立つ南部だが、善悪に対する感覚が麻痺している自分を恥じてもいた。(goo映画より)

日本では子供の臓器提供が認められていないため、子供は海外で移植手術を受けるしかないという現実。脳死状態のドナーが希少なため生きて手術を受けられる人は3人に1人という現実。渡航費を含めると費用が1億円を超えることもあるという現実。それらの厳しい現実と我が子を助けたいという親なら誰もが持つ純粋な想いが、新たな社会の闇を生み出していくという皮肉。生きたまま臓器を取り出されたドナーとその家族にはほとんど何も残らず、児童買春を取り仕切るブローカーに多額の報酬が流れるという事実。そしてそれを目の当たりにして何もできない自分。久しぶりにマジ凹みしました。興味がある方は心の準備をして鑑賞してください。

目：4点
頭：5点
心：5点
魂：5点

（め＿め）.。oO(12/23までに見たい映画がまだ13本もあります)